株式会社清和物産









アンパンには何故あんこが入っているの?
 アンパンだから、「あん」 があるわけですが、もともとのパンを考えると、はなはだ奇妙なものです。

 パンが日本へ渡ってきたのは、約430年前。 江戸時代の 『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』 には、
「パンとは、蒸餅(むしもち)、すなはちマンジュウのあんなきものなり。 オランダ人つねに1個を用ひて一食分となす」 とあります。

 どうやら、このあたりに、パンに 「あん」 が入った理由がありそうなのです。
「マンジュウのあんなきもの」 とは、いかにも不満たっぷりといわんばかりではありませんか。

 日本最初のパン屋は、明治3年(1870年)、芝に開店した木村安兵衛の店。
このパン屋は、明治7年に銀座に進出し、やがて、パンに 「あん」 を入れたものを売り出しました。
これが 「アンパン」の始まり。

 「あん」のないマンジュウであったパンに 「あん」 が入ったのですから、長い間の課題だった日本人の気分も、多分すっきりしたことでしょう。
 







豆腐の絹と木綿の違いは?
 豆腐にはご存知のように、絹ごしと木綿ごしの二種類があります。
見た目といい、舌ざわりといい、いかにもぴったりの名称ですが、ほんとうに絹と木綿で、「こし」ているわけではありません。

  豆腐は、製造工程の最後に、豆乳を型箱に入れて固めるのですが、この型箱が、絹ごしと木綿ごしでは違うのです。

 木綿ごしは、たくさんの穴のあいた型箱を使います。 この型箱に布を敷き、豆乳を流し込みます。 そして上から重しをのせて水分を外に流し、固めます。
 木綿ごし豆腐のあの布目は、型箱に敷く布の目がついたものです。

  絹ごしの場合は、穴のあいてない型箱に濃い目の豆乳を入れ、そのまま固めます。
型箱に布を敷かないので、布目はできません。

 絹ごしの名は、なめらかな舌ざわりから生まれたもので、製造にあたって絹を使うわけではありません。







ひどく酔っぱらうことをなぜ「泥酔」という?
 「泥」とは、実は空想上の虫の名前なのです。
この虫は、南の海にすんでいますが、骨がなく、水の中では生き生きとしていて、水が無くなると、酔ったようにフニャフニャになって、泥のように積み重なるのだそうです。

 この虫の水を失ったときの様子に、人間が酔いつぶれた姿が似ているので、「泥酔」 ということばができました。
つまり、泥(という虫)のように酔う、という意味です。

  ・・・・ちなみに、酔っ払いをよく 「トラ」 と言いますが、これはお酒を 「ささ」 というところからきたシャレです。
つまり、ささ (笹) には、トラ (虎) がつきものなので、酔っ払いを 「トラ」 というわけです。




マスクメロンの網の目はどうしてできた?
  マスクメロンも、木に実がついてすぐの時点では、網の目は現れていません。 それが、生長の過程でしだいに網の目ができてくるのです。

  網の目のもとになっているのは、表皮のひび割れです。
  マスクメロンは、皮よりも中身のほうが速いスピードで生長します。  そのため、皮に強い圧力が内側からかかり、皮がはじけてたくさんのひび割れができます。 このひび割れにコルク層が発達して、あの網の目模様になるのです。

  ・・・・ちなみに、マスクメロンの名の由来は、網の目がマスクのようにかかっているから、と思っている人が多いようですが、これは誤りです。

  マスク (musk) とは、「じゃこう」 のことで、強い香りを 「じゃこう」 の香りにたとえたのです。





きしめんを漢字で書くと?
  漢字では 「棊子麺」 と書きます。 「棊」 とは、碁に同じで、「棊子」とは、「碁石」のことです。
きしめんと碁石、なんのつながりもないようですが、これはきしめんの、もともとの姿を表した名前なのです。

  きしめんは、いまでは、平うちの長い麺ですが、もとは、丸い碁石のような形をしていました。
水で練った小麦粉を薄く延ばし、輪切りにした竹を押し付けて丸く抜いていきます。  それをゆでて、きなこ のようなものをふりかけて食べたのです。

  ・・・・この碁石形の麺、棊子麺の歴史は、鎌倉時代にさかのぼります。 それが今のような細長い麺に変ったのは、江戸時代のことですが、名前だけは碁石時代のままに、棊子麺といったのです。





コンブの裏表の見分け方は?
  コンブの中央には、茎からのびた中帯部と呼ばれる帯のような筋が走っています。
木の葉にたとえれば、葉脈にあたる部分ですが、この帯のような筋がへこんでいるほうが表、出っ張っているほうが裏です。  木の葉でも、葉脈は裏側に浮き出ていますから、それと同じわけです。

  コンブの表側は、海中ではいつも上になっており、8月から11月頃には、胞子袋つくって、遊走子と呼ばれる繁殖のもとになるものを放出します。

  ・・・・・なお、コンブはヨードなどの無機質を豊富に含み、健康にもよい食べ物ですが、その食べ物としての歴史は非常に古いものがあります。 『続日本紀(しょくにほんき)』には、霊亀(れいき)三年 (717年)、元正(げんしょう)天皇がコンブを食されたという記述が残っています。


もくじ