株式会社清和物産

通風(つうふう)



通風とは?
 
尿酸という物質が、血液中に異常に多くなった状態を高尿酸血症といいます。尿酸とはからだの細胞の新陳代謝によってできた老廃物で、体内で毎日ほぼ一定量生成され、尿中に排泄されているのです。この尿酸の生成と排泄のバランスがなんらかの原因でくずれると、血液中に尿酸がふえ、高尿酸血症になってしまいます。このバランスのくずれる原因の大部分は遺伝性のものです。

 この高尿酸血症の状態がつづき、治療しないでおくと、血液中の尿酸は溶けきれず結晶となって関節に沈着し、痛風関節炎をおこします。この病気は、どういうわけかほとんどが足のおや指の付け根の関節から始まり、壮年期の男性に圧倒的に多くみられます。


(症状・診断)
 
ある日突然、夜中に足のおや指の付け根に、焼けひばしを突き刺すような激痛発作(痛風発作)をおこして、赤くはれあがり、熱をもつのが特徴です。この発作は24時間以内にピークとなり、放置しても数日から1週間で軽くなります。治療しないでおくと、発作の間隔はまちまちですが、再発をくり返します。

 診断は典型的な発作に加え、関節液中の尿酸結晶の証明と高尿酸血症です。エックス線写真は、初期では変化をみませんが、慢性期には尿酸の結晶が骨や関節の組織に沈着して、痛風特有な骨の変化がみられるようになります。

(治療)痛風に対する薬物療法は次の2つに分けられます。
 痛風発作を鎮めるためのコルヒチンという薬は、短時間に激痛をやわらげます。しかし、服用をつづけると下痢をおこすことがあり、医師の指示にしたがっての服用が大切です。
 高尿酸血症を改善するための治療が、痛風の基本的な予防であり、治療です。これには、

(1)尿酸を体内で過剰産生するのを抑える薬
(2)尿酸の尿中への排泄を促進する薬

 の2つがあります。
 この際、尿中に排泄された尿酸は、酸性溶液のなかでは溶解度が低いため、尿路結石予防のため、十分な水分と重曹など尿アルカリ化剤を飲むようにします。

 薬の種類と量は、定期的に血液中の尿酸値を検査して決められます。医師の指示にしたがえば、確実に高尿酸血症は改善されるものです。

 ところが、薬で尿酸値が正常になったとしても、薬の服用をやめると、もとに戻り痛風発作をくり返し、やがては腎障害をおこします。薬の服用は尿酸値が正常にコントロールされたら、一生涯服用をつづける必要があります。
 高尿酸血症、痛風を根治する薬はないのです。


◎予防・生活上の注意
 
   むかしから高尿酸血症と痛風は、美食家や肥満した人、高血圧の人に多いため、食事療法が大切といわれていましたが、最近は薬物療法の進歩で、あまり食事制限をしなくてもすむようになりました。

 しかし、高尿酸血症と肥満は密接な関連があるため、肥満をさけるために、摂取カロリー値をコントロールすること、また体内で尿酸を生成する物質を多く含んだ食物(肉類、臓物類、豆類)を食べすぎないこと、そして尿酸の排泄をわるくする飲酒をひかえること、などの注意が必要とされています。

 また、水分を十分にとって尿量をふやすことは、尿酸の排泄の助けとなります。



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