株式会社清和物産





乳酸菌とは何でしょう?

 皆さんは、乳酸菌という言葉はどこかで必ず聞いて知ってらっしゃると思います。でも、皆さんのすぐ側に乳酸菌がいることを御存知でしょうか。

 さて、皆さんの家庭の中にある乳酸菌を使った食品は何でしょう。
ヌカ漬けです。ヌカ漬けのあの酸っぱさは乳酸菌の作り出す乳酸の味なのです。今、はやりのキムチ漬けにも乳酸菌は自然に入っているのです。
 このように乳酸菌は、漬け物、味噌、醤油、酒、チーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料、食品の中でも肉、魚、野菜、殆どの食品に含まれています。
 つまり、乳酸菌が直接入っているか、間接的に使われているかは別にして、乳酸菌の付いていない、あるいは使っていない食品を探す方が難しい位に、乳酸菌はあらゆる食品に使われています。
 そして、医薬品としては整腸剤として使われているだけです。

 乳酸菌には、ラクトバチラスとビフィドバクテリウムの2種類があり、少し難しくなりますが、桿菌と呼んでいます。ラクトバチラスは酸素を好むので好気性菌、ビフィドバクテリウムは酸素を嫌うので嫌気性菌と呼んでいます。
 そして全ての乳酸菌は、乳酸を作るので乳酸菌と呼ばれているのです。
 少し専門的になりますが、乳酸だけを作る乳酸菌をホモタイプ、乳酸菌の中には乳酸と酢酸を作るのがあります。これをヘテロタイプと呼びます。

 しかし、今まで使われている乳酸菌は、すべて食品か動物からとられたもので、人間の腸内から取られたものではありません。
 人間の腸内には、平均して、ラクトバチラス100万個/1g糞便、ビフィドバクテリウムは10億個/1g糞便、存在します。



乳酸球菌とは何でしょう?


 乳酸球菌は、乳酸菌の一種なのですが丸いので球菌と呼ばれています。
 乳酸球菌はエンテロコッカスと英語では言います。エンテロとは“腸内”という意味です。コッカスとは“球菌”という意味です。
 乳酸球菌エンテロコッカスは、前述の乳酸菌と同じように、一般には食品に含まれる細菌としてよく知られており、バター・チーズ・ヨーグルト・飼料添加物・生菌剤・サラミソーセージ・醤油・醗酵生産物・乳酸菌飲料・肉・魚・野菜などに多く用いられて来ています。
 ところが腸内(細菌)から取れた乳酸球菌の研究利用は殆どなかったのです。そこで私は人間から取られた乳酸球菌の研究に着手しました。




乳酸球菌エンテロコッカス
・フェカリス・カワイ株の発見

 私は日本に帰国して以来腸内細菌の研究を開始しました。何故腸内細菌に注目したのでしょう。
 腸内細菌が、人間の腸内に300種類100兆個も存在しているのにその研究が殆ど進んでいなかったのです。(人間の全細胞数は60兆個です。)

 腸内細菌は人類の発生以来、少なくとも500万年も人間と共存関係にあるわけです。人間は長い進化の中で無駄なものは捨ててきました。にもかかわらず腸内細菌は100兆個も存在し、きっと人間にとって重要な役割をしているに違いないと考えたのです。
 そして人間の腸内細菌が肝臓の解毒作用を促進することや、脳神経を活性化することを発見していく中で乳酸球菌が重要な役割をしていることを発見しました。
 そこで乳酸球菌で成人病を予防し、又は、治すことが出来ないかと考えました。私の考えのまず第一は健康な人間の腸から発見した乳酸球菌には副作用が無いだろうと考えました。

 乳酸球菌は約1億個/1g糞便存在します。
 人間にとって安全であるということは最も重要なことです。そしてさらに、乳酸球菌の人間における生理的、医学的な役割の研究が殆どなされていなかったことも私の研究意欲をそそりました。
 乳酸球菌エンテロコッカスは、何らかの意味で人間の生理に影響しているに違いない、しかし、どこから研究を進めるべきかはたと迷いました。
 そのとき私の脳裏をかすめたのが、私がヨーロッパの「肝臓と加齢」という本に、発表してあったコレステロールの研究でした。
 ネズミを使った老化の研究に於いて、コレステロールは老化とともに増加するのですが、腸内細菌の住みついているネズミは腸内細菌の住んでいないネズミに比較してコレステロールの値が半分しかないのです。
 つまり腸内細菌のどれかの菌が血中のコレステロールの増加を抑えていることに気づいたわけです。大きな発見というのは、自分の研究結果を、よく見つめ熟考するということだと私は思っています。
 もう一つのヒントはやはり私が「微生物と免疫」という英文の雑誌に発表した研究結果で乳酸球菌エンテロコッカスが十二指腸粘膜の不必要な酵素アルカリフォスファターゼ(癌になるとこの酵素は増加します。)の活性を抑えるということでした。
 三大成人病のうち二つ、心疾患及び脳疾患に何らかの形で動脈硬化が関係しています。つまり、簡単にいえば動脈硬化の原因は高脂血症、血中のコレステロールとの増加と中性脂肪(トリグリセライド)の増加です。
 そこで私は、血中コレステロールを減らす乳酸球菌エンテロコッカスの探索をしたのです。腸とはいってもこの探索は並大抵ではありませんでした。
 まだその当時は腸内から内容物を取り出すのが困難な時代で内視鏡もまだまだ未熟な時代でした。しかし、病人を救うためにはやらなければならないという切実感、使命感が私をして遮二無二、研究を遂行させました。そこでまず、糞便を材料にして乳酸球菌エンテロコッカスの探索を始めました。糞便の三分の一から二分の一は、腸内細菌なのです。糞便から取れた一つ一つの乳酸球菌エンテロコッカスを動物実験に使い、血中のコレステロールを低下させる菌を探しました。
 そして、エンテロコッカス・フェカリス・カワイ株と名づけられました。その後の、臨床結果や、動物実験で、三大成人病や高血圧等、全ての成人病にこの菌が絶大の効果のあることが、明らかになりました。

 詳しいことは、私の著書、論文集、小冊子をお読み下さい。
 




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